2011年 02月 02日
スイートリトルライズ |
出演: 中谷美紀 大森南朋 池脇千鶴 小林十市 大島優子
監督: 矢崎仁司
(「キネマ旬報社」データベースより)
江國香織の同名小説を、中谷美紀と大森南朋共演で映画化したラブストーリー。
ティディベア作家の瑠璃子は、夫・聡とのすれ違う心の溝をどう埋めたらいいのか分からずにいた。
そんなある日、彼女は自分が持っていたベアを欲しがる青年・春夫と出会う。
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017 スイートリトルライズ
原作と映画化は別物。
そう考えていた方が、だいたいうまくゆく。
経験上そう思っていたけれど、
こんなに映画化が難しいとは・・・
改めて感じた作品。
江國さんの作品に最初に出逢ったのは、たしか「きらきらひかる」だったと思う。
ひと目で恋に落ちてしまったという出逢いでした。
それから彼女の作品は、ひとつとして取りこぼさないように
ほとんどすべてを読んでいます。
村上さんと並んで、この上なく愛してやまない作家さんです。
彼女の作品を読んでいつも思うのは、
どんなに変な主人公でも
どんなに浮世離れした女性であっても
その気持ちや感情がそっくりそのまま理解できる部分があるというところ。
もちろん、自分のなかにないものはそうではないけれど、
ある部分はまるで私そのものなのではないかと思うくらい
理解できてしまう。
その驚きと発見と深いシンパシーと
それからほんとうに気持ちの良い文章や表現
そして彼女にしか使えない独特の、でもそれしかありえない「おのまとぺ」。
居心地がよい親密な部屋のような
呼吸が楽にできるあたたかな世界。
一度出逢ってしまったら もう離れられない。
さて、「スイートリトルライズ」。
私の中の原作とはかけ離れていました。
会話とかシチュエーションとか
ちゃんと切り取られて散りばめられているのだけれど
この中の瑠璃子と聡、それから春夫としほ。
それはやっぱり違う人格でした。
同じ台詞を喋っていても、かすかな違和感。
もちろんそれは、監督の「スイートリトルライズ」。
不思議だったのは、瑠璃子と聡が暮らす部屋の印象は
私が小説を読みながら思い描いていたものに
とてもよく似ていたということ。
年月の経過がいい感じに現れた
こぢんまりとした清潔であかるい部屋。
まるで瑠璃子そのもののような部屋。
窓によって暗い外の世界から守られた
あかるくてあたたかな静かな部屋。
まるで瑠璃子と聡のありようそのままの。
ところで、私はラブストーリーが好きなくせに
ラブシーンがとても苦手。
用心深く避けているつもりでも
仕方なく出逢ってしまうことがあり
そういうときは早送りか30秒送りをしてしまいます。
たったひとりで見ていても。
平気に見られることができたなら
また違う感想を抱くものなのかもしれないと思いながら。
by childrenmammy
| 2011-02-02 23:35
| 映画