2011年 05月 09日
こうふく あかの |
西 加奈子(著)
(「BOOK」データベースより)
お前は誰だ。俺の子ではない、お前は誰だ。
39歳。男は、妻から妊娠を告げられた。
それが、すべての始まりだった。
30年の時間が流れた。
想像していた感じの世界と、かけ離れた作品だった。
(タイトルから勝手に思っていた世界と、という意味で)
男のモノローグが淡々と延々と続くあたりは、
昔読んだ筒井康隆の小説を思い出させる。
淡々と語りながら、どんどん狂気の淵へ追いやられてゆく感じ。
実際、読んでいてこの主人公の語っている日常が、
真実なのか、それとも妄想なのか、
ふと深読みしてしまう自分がいた。
そうだったらもっとシュールでまた違う世界。
これまでに読んだ西さんの作品の中で、
この作品は、どちらかというとあまり私の好みではなかったかな…
最後の最後まで
「こうふく」と思える断片に辿りつかない
それが怖かった。
by childrenmammy
| 2011-05-09 23:18
| BOOK