2011年 06月 18日
こうふく みどりの |
西 加奈子(著)
今さら気付いたというわけではないけど、
やっぱり西っさんの描く関西弁の物語が好き。
書き言葉でなく、話し言葉で綴られる物語。
それが西っさんの真骨頂やと思う!
だって、「もっそ」とか「ようさん」とか
日常の言葉が生き生きと流れるようにあふれ出てくるんやもん。
毎週土曜日の午後、吉本新喜劇を見て、
「YOUNG Oh Oh!」でさんまちゃんを見て、
「テレビにらめっこ」で鶴瓶さんに笑かされて、
MBSの「ヤンタン」を毎晩聞いて育った身には、
泣けるほど気持ちいい。
文章がすいすいとまるで語られているように入ってくる。
そして主人公 緑の心の中の言葉が
分かりすぎて、おかしくて、痛快。
「円卓」に続き、やっぱ好きやなぁと思う。
いくつかの告白や手紙や過去が
繋がってゆくラスト。
上手い。
「こうふく あかの」という作品と、この「こうふく みどりの」は、
二つで一つの物語。
同じではないけれど、繋がっている物語。
「こうふく あかの」を先に読んで、
救いのない物語に心が塞いだけれど、
「こうふく みどりの」を読んでよかったと思う。
それにしても、アントニオ猪木。
なぜ日本の人々に長く深く愛されているのか
少し分かった気がする。
物語の中で、猪木の引退の際の言葉が引用されているのだけれど、
私はこの言葉にずっと前、助けられたことがあった。
Mr.Children のアルバム「IT'S A WONDERFUL WORLD」
その中の「one two three」という曲の中に登場するそのシーン。
どこかで櫻井さんが、猪木の言葉をその曲に使った理由を語られているのを
聞いた気がするのだけれど…
なんだったかなぁ
とにかく、私はその曲でその言葉に出逢ったことで、
勇気を振り絞って一歩踏み出すことができた。
あの奇跡のような行動、それからの流れ。
なつかしく思い出す。
迷わず行けよ
行けば分かるさ
by childrenmammy
| 2011-06-18 23:35
| BOOK