2015年 02月 24日
風立ちぬ |
監督: 宮崎駿
かつて、日本で戦争があった。
大正から昭和へ、1920年代の日本は、
不景気と貧乏、病気、そして大震災と、
まことに生きるのに辛い時代だった。
そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?
イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、
後に神話と化した零戦の誕生、
薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。
この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く─。
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002 風立ちぬ
二夜連続して、合計二回半、鑑賞。
観終えた後も、ふとした時にあの音楽が頭の中で鳴っている。
ふんわりと異国を思わせる、やわらかな調べ。
やさしく 心地よく。
音楽は久石譲。
始まってすぐから、あっと気づく。
過去の宮崎駿作品のかけらが、あちこちに潜んでいること。
飛行機を操縦する少年には、「崖の上のポニョ」の宗介の面影が見えるし、
「となりのトトロ」のメイが、
茂みに走りながら突っ込んでゆくところがあったり、
「紅の豚」のポルコが、飛行機を操縦していたり
その隣に乗っているおばあさんは、「天空の城ラピュタ」のドーラに似ていたり、
他にも、「ハウルの動く城」のワンシーンや、
「風の谷のナウシカ」や「千と千尋の神隠し」や…
私の思い過ごしであったとしても
それらを見つけるのは、楽しい喜び。
そして、瓶底眼鏡の少年は、どこか宮崎駿少年をも思わせる。
とにかく、ぼんやりと見ていては、もったいない
芳醇なワインのような 絵、音楽、物語、台詞
当たり前だけれど、これは、
何度も何度も 繰り返し観るべき作品だと
強く思うのです。
物語後半、カプローニが二郎に語るシーン
「私は、この飛行を最後に引退する。
創造的人生の持ち時間は、十年だ。
芸術家も設計家も同じだ。
君の十年を、力を尽くして生きなさい。」
これは、どうしたって、宮崎監督の心からのメッセージだと
受け取らずにはいられない。
むべなるかな。
それほどにこの作品は、熱く 深く 大きく 圧倒的に優しい。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」
by childrenmammy
| 2015-02-24 10:18
| 映画