2008年 10月 18日
なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない |
この秋、SURF と お別れすることになりました。
1999.10.23 に我が家にやってきた HILUX SURF SSR-G 。
いちばん最初のドライヴは、富良野への旅でした。
息子は10歳、娘は7歳。
あれから九年。
ずっと ずっと大切に、我が家の歴史と共にあった SURF。
どんなことがあったって もう乗れなくなるまで乗るつもりで
みんな大好きだった SURF。
思いがけない別れの秋。
今夜は飲み会をキャンセルして、いつもより早く帰宅しただんなさま。
最後のドライヴに行こうか。と。
家族みんなで乗り込んで、出発。
私たちの大好きなあの丘へ。
道路には霧が立ち込めていて、
夜空にはオレンジ色のお月さま。
ちょっと幻想的な夜。
おどけた会話を始める彼と、
いつもの何気ないドライヴのように振る舞う子供らと。
用心深く しんみりすることを避けて。
街を見下ろせるあの丘で車をとめて
「ほら 夜景見える?」と、彼。
サンルーフを全開にして、子供たちふたり一緒に体を乗り出して
わぁ きれいだよ。。。
一瞬で心が九年前に戻ってゆく。
あの頃も こうやってサンルーフから眺めていたね。
海 山 星 空
いったい いくつの旅をしただろう
たくさんの たくさんの旅
初めてのところへ いっぱい いっぱい 連れてってくれた
北海道を知る旅
今夜、最初から言葉少なだった私は
もうなにも言葉を話せなくなっていた
なにか言おうとしたら・・・
「帰りは Takuya に運転してもらおうかな。」と、彼。
席を交代して、ハンドルを握る息子。
慎重に車は夜に滑りだす。
助手席の彼が FMラジオのスイッチをつけた。
流れ出す DJ のおしゃべり。
ハガキを読む声。
なんとなく予感がしていた。
素敵な歌が流れる予感。
イントロが始まって。。。まさか。。。まさか。。。
それは、Bank Band の「糸」。
なんという神様の計らい。
なんというこのタイミング。
もう あふれ出る涙を止めることなんてできなかった。
ハンカチもティッシュも もってない。
急いで手ぶらで家を出たから。
コットンのセーターの長めの袖で 顔を隠して
気付かれないように 窓の外だけを見つめて。
押し殺した嗚咽は SURF のエンジン音が消してくれる。
流れるフルコーラスの「糸」。
窓の外には お月さま
ずっと やさしく見守るように ついてきてくれていました。
縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は仕合せと呼びます
糸
words by Miyuki Nakajima
by childrenmammy
| 2008-10-18 23:38
| memory