2009年 04月 08日
がんばっていきまっしょい |
出演: 田中麗奈 真野きりな 清水真実
監督: 磯村一路
(「Oricon」データベースより)
高校生活をボートにかけた少女たちの姿を瑞々しく描いた青春ドラマ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
041 がんばっていきまっしょい
このお話は、1976年からの三年間の
愛媛県松山市が舞台です。
*
毎年、春が近づいて桜の便りが内地からきこえてくる頃になると
どうしようもなく心がざわざわします。
桜が恋しくて ふるさとの春が恋しくて
そうして淋しくてたまらなくなるのです。
窓の外は雪。。。
一年ごとになんとかその季節をやり過ごす術を見つけてきました。
というわけで、ふるさとの言葉が聞きたくて・・・
この作品を観返したのでした。
*
原作は敷村良子さんの小説です。
(松山市主催第4回坊っちゃん文学賞受賞)
私はまず小説に出逢って、次にこの映画化されたものを観て、
その後、2005年夏に放映されたテレビドラマを観ました。
(小説も最高だったし、ドラマにもはまりました)
さて、前置きはこのくらいにして。
全編を流れる Lee-tzsche(リーチェ)の「Ogiyodiora」(オギヨディオラ)の曲が
とても とても いい。
しっとりと おだやかな たゆたう水を感じさせる歌声 メロディー。
それが作品にぴったりと寄り添っています。
北欧のどこかの国の言葉なのかなぁと思っていた私。
彼女は韓国のシンガーなのですね。
不思議な心地よさのある素敵な歌です。
音楽もそう、大好きだけれど、やっぱりこの作品は傑作です。
とても大好きです。
なつかしいだけのノスタルジックではなく
もう戻れない時間への 深くやさしい思い。
切なさや ひさむきさや いろんな感情が 波のように押し寄せる。
青春の真っ只中にいる本人には、決して分からないこと。
過ぎてみて初めて分かること。
愛おしく 哀しく 甘やかな痛み。
それにしてもふるさとの言葉は、なぜこんなにも優しい。
ずっとその中にいたとしたら 気付くことはないのだろうか。
遠く離れてしまったからなのだろうか。
最初から最後まで あふれる湯水のように伊予の言葉が。。。
ほうじゃけん
日切焼、もうひとつかまん?
ゆっくりでええんよ
はよおきんかな
なにしよるん
教師の叱る言葉の「くそばかが!」までもが、なつかしく なつかしく
笑い泣き。。。
悦子たちが海で合宿をするシーン。
心打ち解けあった仲良しの友達と楽しい夏のひとときを過ごす。
ご飯を食べ、料理をし、花火をし、おしゃべりをし、
その無邪気な明るさと、くったくのない若さ。
想いのままに交わす言葉は生まれたままの言葉たち。
なぜかそんなシーンでとめどなく涙があふれる。
ただ一度きりの魔法のような高校生時代。
ひたむきに、ただひたむきに頑張った姿は
かっこ悪くても “どべ”(=びり)でも
とびきりに輝いている。
by childrenmammy
| 2009-04-08 23:38
| 映画