2011年 03月 26日
真昼なのに昏い部屋 |
江國香織 (著)
“物語り”の あまりのうまさに、うなってしまった。
やっぱり江國さんは素晴らしい。
まるで「雪だるまの雪子ちゃん」の世界を思わせるような語り口。
それでいて、まったく新しい
「ジョーンズさんと美弥子さん」の世界を
リリカルでみずみずしく紡ぎあげる。
いままで彼女の作品の中で出逢ったたくさんの女性たち。
その誰もの欠片が見え隠れするようで、
でも、その誰でもない「美弥子さん」。
「世界の外」という表現が
あまりにも すとん と腑に落ちる。。。
これは、不倫小説なんてカテゴリーに
決して入らない。
美しくて残酷な童話。
最後のジョーンズさんの言葉。
とてもふさわしいようでいて、
ほんとうに怖い。
by childrenmammy
| 2011-03-26 23:35
| BOOK