2012年 07月 27日
わたしを離さないで |
出演 : キャリー・マリガン アンドリュー・ガーフィールド キーラ・ナイトレイ シャーロット・ランプリング
監督 : マーク・ロマネク
原作 : カズオ・イシグロ
製作総指揮 : アレックス・ガーランド/カズオ・イシグロ/テッサ・ロス
●字幕翻訳 : 戸田奈津子
(「キネマ旬報社」データベースより)
カズオ・イシグロ原作のベストセラー小説を、キャリー・マリガンほか若手演技派スター共演で映画化したドラマ。
幼い頃から外界から隔絶された寄宿学校・ヘールシャムで暮らしてきたキャシー、ルース、トミーの3人を待ち構える切ない運命を描く。
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048 NEVER LET ME GO
カズオ・イシグロの、“あの”小説が映画化されると知った時、
とても難しいのでは、と思った記憶がある。
あの作品を読んだ時、
私は、出口のない荒涼とした世界にはまり込んでしまったような気持ちになり、
ラストでは途方もない淋しさに涙が止まらなくなった。
心がどこかへ行ってしまったようで、
元に戻るのが大変だったように記憶している。
そして、この映画化された作品。
とても素晴らしく作り上げられていると感じる。
原作を読んでいた時に描いていた風景と
ほとんど隔たりのない
まったく違和感のない
それでいて独特の世界観になっていた。
文句はひとつもない。
するすると納得して鑑賞。
ただ、心だけはどうしようもなく冷たく悲しく沈黙しながら。
「彼女」や「彼」たちは、生まれた時から一人ぼっちだったのだ。
たくさんの学校の友や、先生たちはいたとしても、
一人ぼっちだったのだ。
当たり前と思って暮していた日常、その日々の中の規律。
刷り込むことは、たやすいのだろうか。
洗脳と言う言葉が浮かぶ。
原作と映画化されたものとは別物と、いつも思っているけれど、
やっぱりそうなのだ。
そして、それぞれが素晴らしい世界を見せてくれ、
心をその宇宙に誘ってくれる
この時代の この世界の 技術と才能の素晴らしさよ。
by childrenmammy
| 2012-07-27 23:15
| 映画