2006年 11月 08日
キッチン・ストーリー Kitchen Stories |
出演: ヨアキム・カルメイヤー トーマス・ノールストローム
レイネ・ブリノルフソン ビョルン・フロベリー
監督: ベント・ハーメル
(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
ヨーロッパを中心に各国映画祭で好評を得た
『卵の番人』のベント・ハーメル監督が贈るほのぼのドラマ。
独身男性の台所での行動を調べるためにノルウェーの片田舎にやって来た調査員と、
調査対象となった男性との友情をユーモアを交えながら描く。
1950年、スウェーデンの家庭研究所では、
ノルウェーの独身男性の台所での行動パターンの調査を行うことになった。
調査員のフォルケは、老年の独身男性イザック宅へ。
調査対象とは決して話をしてはいけないという規則だったが、
ふたりいつしか話をするようになり、ゆっくりと交流を温めていく。
登場人物は、おじいさんとおじさん。おじさん、おじさん・・・
キッチンの中の定点観測。
およそ華のない、淡々とした映画と思いきや・・・
静かな 静かな あたたかいものがこみ上げる。
へんなところにおかしみがあり、心のゆくえが気になる。
50年代の北欧のインテリア
電話や 珈琲を沸かすポットや カップ&ソーサー
それらの しんとした佇まい。
シンプルで控えめなのにどこかかわいらしい。
車や家の内装も、北欧の雰囲気たっぷり。
故郷(スウェーデン)に住む叔母が送ってくれた食べ物を
とてもおいしそうにフォルケが食べるシーン。
ニシンやパンやハムやチーズ。
(おそらくどれもスウェーデン独特の郷土食なのだろう)
ひとというのは、やっぱり故郷の味が
どうしたって懐かしくて、いくつになっても好ましいのだろうな。。
しんしんと積もる雪と夜の風景は、
寒く感じてもおかしくないはずなのに、
なぜか寒くは感じない。
雪さえもあたたかく包み込むように思える。
キャンドルの灯、あたたかな珈琲、
不思議な入り方をするお風呂、ラジオの音。。。
ラストシーンが とてもいい。
緑あふれる春の イザックの小さな家のまわりの風景。
なにげない ふつうの一日であるだろう風景。
とてもほのぼのとした やさしい気持ちがこみあげる。
全編を通して控えめに流れる
静かなやさしい音楽。
それもまた あたたかいのです。
by childrenmammy
| 2006-11-08 14:43
| 映画