2007年 09月 05日
15のあなたへ |
「結婚できるのかなぁ・・・」
娘 15歳。
最近、こんなことを よくつぶやくのです。
おかしくって私は、
「あのねぇ、キミはまず、体を健康にすることを考えるのが先だよ。」
と、笑うのですが。
(年頃の娘、ダイエットとおしゃれのことが何より大事な様子)
先日は、私に
「ママ、どうやってGETしたの?いいよねぇ お父ちゃんみたいな人と出逢えて。。。」
な~んてことを言うのです!
「GETって・・・(苦笑)
ん~ ママはね、なんにもしてないよ。
ずっと片思いだと思ってたし、バレンタインだって名前も書かずに
下駄箱に放り込んだだけだし・・・(笑)」
「そっか~ お父ちゃんからなんだ!」
「そうかぁ・・・ママ、yuiちゃんの頃には、もうお父ちゃんと出逢ってたんだよね。。。」
しばし遠い心の旅をしながら、車を待ったふたりでした。
あの時 私は、付き合うまでのことだと思ったのですが、
娘にしてみれば、結婚までの長い道のりに思いを馳せていたのかも知れません。
まわりの友達が好きな男の子と、かんたんにくっついたり離れたり・・・
そして、娘自信も気持ちが揺れ動く毎日・・・
そんな彼女、なにか思うところがあったのでしょうか。
***
いつかあなたに話す日がくるのかな。
あの永遠とも思われた 長く淋しかった日々。
泣いたり 悩んだり 揺れたり 怒ったり
果てしなく遠い道のり。
**
ふたりは4年間 遠く離れて過ごした。
彼は北海道で貧しい大学生。
私は四国でOLとして働く日々。
携帯電話もパソコンもメールも、なかった時代。
手紙と電話だけが、繋がる術だった。
しかも、彼の方は、最初の一年間は寮の呼び出し電話。
電話がいつも空いているとは限らない。
細々としたチャンス。
残業を終えて帰宅して、夜更けに手紙を綴る。
仕事の事、近況、友達のこと、他愛もないこと
それから、彼への思い。
お元気ですか 食事はちゃんと摂ってますか?
ポストに手紙を投函して、その手紙が海を越えて彼に届くのは、
2日後か、あるいは3日後・・・
急ぐときには、速達で投函して、
誕生日やバレンタインには、ゆうびん小包。
たまにけんかをしても、すぐに仲直りなんてできない。
手紙を書いても 読んでくれなかったらどうしよう
何度 電話をかけてもつながらない
じりじりする思いで、何日も過ごす。
夏休み、冬休み、
逢える日を指折り数えて、
ただ ただ 逢いたいとだけ思いながら過ごす。
淋しくて どうしようもなくて泣いていた夜、
電話をくれたら ただうれしくて
なんてことのないバカな会話に笑顔になって
「な、こうしてると距離なんて感じんやろ?」
笑う彼の言葉に また 泣けてきて。。。
春 夏 秋 冬
それを4回繰り返して
その間に、何度けんかしただろう。
もう 二度と逢えない・・・
そんな大きなけんかもあった。
いろんな雑音が聞えてきたり
いろんなことを言われたり
ただ 信じるだけ
信じて待つことだけ それしかできない
でも それは、そうしたかったから
彼でなくてはだめだと
いちばん自分が知っていたから
誰もが口にする一般論や
軽い気持ちで語られる恋愛のパターンや
そんなことに揺れないでいる
それしかできないから
バカみたいと思っても そう
彼の代わりには 誰もなれない
*
大きな大きなけんかの後、彼は私の両親に逢ってくれたんだよ。
高校生の頃にも、逢って叱られたことあったけどね。
僕にくださいと 言ってくれたんだよ。
しあわせにしますと 約束してくれたんだよ。
べただけどね、ママのお父さんは泣いてたよ。
頼んだぞ。と、固く固く握手をした あのシーンを
私は一生忘れないと誓ったんだよ。
ママはお父さんがきらいだった。
大好きだったけど、きらいだった。
いつもいつも私のことを心配し続けて、
顔を見たら、具合が悪いんじゃないかと心配して、
もっと前向きになれと説教して、
お酒に酔うとくどくなって、
鬱陶しかった。
泣かしたら承知せんぞ と泣いてたよ。
どこにでも連れていけ と泣いていたよ。
ただ 頭を下げていたよ。
お父ちゃんは。
*
ごめんね やっぱり キミに話してあげられることは何もないや。
ただ 思うことは、
自分に素直でいること
自分に嘘をつかないこと
それだけ それだけかな。
いつだったか、ママが死んだらお墓には入れないでねって言ったよね。
灰をあの大好きな丘に撒いてねって。
キミは、まだ小さかったから覚えてないかな。
やっぱり、ちょっぴりはお父ちゃんといっしょに
お墓に入れてほしいかな。
最近、そう思うんだよ。
by childrenmammy
| 2007-09-05 10:20
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